だるい

ともかく書いてみる

正直年明けからあんまり調子が良くなくて、それはどう考えても精神的なものからくるものだったのでほっておいて、それなりに楽しい時は楽しく過ごして、嫌な時は嫌だなあと落ち込んだりしていた。

私の内側と外側があんまり噛み合ってないなあとは感じいて、私について私を思って言ってくれた言葉は全部真摯に受け止めたいのに、行動にちっとも移せない自分にもかなり嫌気がさしていた。髪の毛をピンクにしたのも自分としては良くない兆候だと気付いていた。もともと発色のいい色は好きだったけど、とにかく珍奇な格好をすることで身を守ろうとする癖があって、ひどい時は信号機のような服で外に出ていた。つまりセンスが悪いのと自己防衛が重なると私は全身レゴみたいになる。それでもその時自分を立て直すには必要なことに思えたので、脱色して真っピンクにしてもらった。途中でオレンジにもした。二月まではグラグラと揺れていたけど、三月に入った途端にすごく気分が良くなって、春がきたらこんなに嬉しいってことかなあ!?とドキドキしたりした。これなら辞めるって言えるかも、と思って、言った。多分すごく、下手くそだった。

色んな人に怒られた。怒られたというかもっとうまく立ち回りなよ、と言われた。なんで素直に言っちゃうの、と言われた。その通りだなあと思った。私が悪かったなあと思った。私が変に正直なせいで、いろんな人が嫌な思いをしたんだなあと思った。春は寒くて、暑くて、気持ち悪かった。暖房をつけたり消したりした。咳がひどいのもこのせいかなと思った。実家に帰った時に、玄関の前で動けなくなって、30分くらい外に出たまま蹲って泣いてた。意味がわからない。どうにかして実家に入って、逃げるようにお風呂に入って、いっぱい太ももを殴った。切る勇気はもちろんなかった。

そのうち具合が悪くなった。本当に熱が出た。誕生日の日に、一人で、夜中熱を出しながら、何でこうなっちゃったんだろう?と思った。いつからやり直せばうまくいったんだろう? 私の何が悪かったんだろう? どうして人の期待に応えられなかったんだろう? と思った。

コロナじゃなかった。コロナだったらよかったと思った。全部コロナのせいにできたのにと思った。よくわからない薬をたくさんもらって、たくさん飲んだ。よくなったと思って、仕事に行ったら、午後に涙が出てきて、具合が悪いと思われて早退させられた。本当に具合が悪いのかもしれない、と思った。帰り道に河川敷を歩きながら、声を上げて情けなく泣きながら、もうぜんぶいやだな、と思った。

土日は姉が来てくれて、一緒にご飯を食べて、映画をたくさんみて、バラエティもたくさんみて、ずいぶん元気になった。誰かといれば私も大丈夫かも!と思った。自分の悩みがすごく些細に馬鹿馬鹿しく思った。薬をたくさん飲んだ。

それから仕事に行って、仕事をして、朝起きた時に、無理かも、と思った。泣いた後みたいなだるさがずっと続いてて、具合が悪いのかもしれない、と思った。その日も休んで、次の日、どうしよう今日も無理だ、と思った。三日間くらい顔も体も頭も洗ってなかった。自分を綺麗にする意味がよくわからなかった。シンクも一週間放っておいて、使えるコップがなかったので、何日目か分からないけど同じコップで薬を飲んだ。変な味がした。洗濯物も床に散らばって、どれが綺麗なのか分からなかった。私はかなりパニックになってしまって、朝の7時に母親に電話をかけた。かけてるうちに涙が出てきて、寝ぼけた声を聞いた途端に、もう涙腺がバカになった。この気持ちを何で言えばいいのかまったくわからなかった。母親は驚いてた。申し訳なくなって、ごめんなさい、とたくさん言った。でもなんにもできないです、と謝った。母親は、帰っておいで、と言った。それとも外で待ち合わせしてどっか行こうか。家まで迎えに行ってあげようか。私はものすごく罪悪感に苛まれた。二十歳を超えて家を出てるのにまだ母親に迷惑をかけてる。いらないといった。夕方には家に帰ると言った。上司にメールをして返事を待たずにケータイの電源を切った。職場の人にどう思われてるか考えるだけで涙が出てきた。色んな友達が私のことを心配してくれてたのに誰にも満足に返せてないことも不安だった。カーテンはあけれたけど、外に出れる気がしなかった。東京MXでやってるよくわからない韓流ドラマを見た。みんなは人生を頑張っているのに、と思った。こうやって恋愛ができればよかった。恋愛ができないんだったら仕事ができればよかった。仕事ができないんだったら毎日を楽しく過ごせればよかった。毎日を楽しく過ごせないんだったら、毎日を楽しく過ごせないんだったら?

昼にメガネのまま外に出た。目が悪いから度が強い。度が強いと足元を見て酔う。現実を見てこなかったからだ、その罰だ、と思う。罰も何もない。私が勝手に思ってるだけだ。東京は人が多くて、全然歩く速度があがらない。その多さの分だけ人生があるのが信じられない。家に帰りたい。先のことは全然わからない。不安だ。みんな不安だよ、と言ってくれるけど、じゃあこんな風になっちゃう私が弱いのかな、とものすごく不安になって、だめだ。今日が暑いのか寒いのかもよくわからない。寝たい気もするけど寝ちゃダメな気もする。全部私の甘えな気がほんとはしてる。私がうまくやればよかった。私がうまくやればよかった!